
「ちょっとしたことで泣き叫んでしまう」
「思い通りにいかないと大きく崩れてしまう」
「外出先で癇癪が起きると、どうしたらいいか分からなくなる」
子どもの癇癪に向き合っていると、保護者の方もしんどくなってしまいます。
何度言っても変わらないと、「私の関わり方が悪いのかな」「甘やかしてしまっているのかな」と、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
でも、癇癪はただのわがままではなく、子どもなりの「困った」「しんどい」「うまく伝えられない」という気持ちの表れであることがあります。
言いたいことをうまく言えなかったり、気持ちの切り替えが難しかったり、見通しが持てず不安になったり、疲れや空腹が重なったりして、気持ちがあふれてしまうのです。
この記事では、子どもの癇癪をどう見ていけばよいのか、お家でどんな関わりができるのか、そして療育ではどんな支援ができるのかを、できるだけ分かりやすくお伝えします。
子どもが大きな声で泣いたり、床に寝転んだり、物を投げたりすると、大人はどうしても「早くやめさせないと」と焦ってしまいます。もちろん、安全を守ることはとても大切です。
でも、そのときの行動だけを見てしまうと、子どもが本当は何に困っていたのかが分からなくなってしまいます。
たとえば、
■いやだと言いたいのに、うまく言えない
■まだやりたいのに終わらないといけない
■次に何をするのか分からず不安になる
■音や人の多さがしんどい
■疲れていて気持ちを保てない
こんなことが重なって、気持ちがあふれてしまうことがあります。
だからこそ、癇癪を「困った行動」とだけ見るのではなく、その子なりのSOSかもしれないと考えることが大切です。
癇癪には、ひとつだけの原因があるとは限りません。いくつかの理由が重なって起こることもよくあります。
1. 言いたいことをうまく伝えられない
「これがほしい」
「まだやりたい」
「いやだ」
「手伝ってほしい」
こうした気持ちをうまく言葉にできないと、子どもはとても苦しくなります。
特に、まだ言葉で伝えることが難しいお子さんや、気持ちが高ぶると言葉が出にくいお子さんでは、伝わらないつらさが癇癪につながることがあります。発語が少ないお子さんへの関わり方については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
2. 気持ちの切り替えが難しい
楽しく遊んでいたのに終わりの時間になった。
急に予定が変わった。
次に何をするのか分からない。
こうした場面で不安や混乱が大きくなると、気持ちの切り替えが難しくなり、崩れてしまうことがあります。
3. 周りの環境がしんどい
大きな音、まぶしい光、人の多さ、服の感触など、周りの人には分かりにくいしんどさを感じていることもあります。
見た目では分からなくても、子どもにとってはとてもつらいことがあります。
4. 疲れや空腹がある
眠い、おなかがすいている、疲れている、少し体調が悪い。
そんなときは、大人でもイライラしやすくなります。
子どもは特に、こうした体のしんどさが気持ちに出やすいです。
癇癪が起きたとき、「ちゃんと対応しなきゃ」と思うと苦しくなります。
でも、まず大切なのは、上手に言い聞かせることではありません。
安全を守ることと、子どもがこれ以上つらくならないようにすることです。
叩く、噛む、飛び出す、物を投げるなど、危ない様子があるときは、まず安全を守ることを優先します。
その場を少し移動したり、危ない物を遠ざけたりしながら、落ち着けるようにします。
気持ちが大きく揺れているときは、長い説明はなかなか届きません。
そんなときは、
「だいじょうぶ」
「こっちに行こう」
「お水飲もうか」
このように、短くて分かりやすい言葉の方が伝わりやすいです。
「座る?」
「抱っこにする?」
「赤いコップにする? 青いコップにする?」
このように、小さく選べる形にすると、子どもが少し安心しやすくなることがあります。
全部を大人が決めるのではなく、少しでも自分で選べると落ち着きやすいお子さんもいます。
言葉だけでは伝わりにくいときは、
■あと1回
■次はこれ
■おしまい
などを、カードや絵、実物を使って見える形にすると分かりやすくなります。
見通しが持てるだけで、不安が減るお子さんも多いです。
実際の個別療育でどのような工夫をしているかは、こちらの記事でもご紹介しています。
大人もつらいので、つい強く言いたくなることがあります。
でも、次のような関わりは、かえって長引きやすいことがあります。
■長く言い聞かせる
■大人も感情的に怒る
■その場しのぎで毎回なんでも認める
■「なんでそんなことするの」と責める
■周りの目を気にして大人が慌てる
癇癪の最中は、子どもも自分で気持ちをうまくまとめられない状態です。
そんなときは、正しさを伝えるより、まず落ち着けることの方が大切です。
癇癪は、起きてから何とかするより、起きにくくする工夫の方がうまくいくことがよくあります。
たとえば、
■終わる前に「あと5分だよ」と伝える
■今日の流れを先に伝える
■選べる場面を少し作る
■疲れる前に休憩する
■おなかがすく前に軽く食べる
■「いや」「まだ」「手伝って」など、伝える言葉や方法を増やす
こうした小さな工夫で、子どもが安心しやすくなることがあります。
大切なのは、癇癪をなくすことだけを目指すのではなく、子どもが伝えやすくなること、安心して過ごせることを増やしていくことです。
癇癪が続くと、保護者の方は本当に疲れてしまいます。
「どうしたらいいのか分からない」
「毎日これで精いっぱい」
そう感じるのは自然なことです。
そんなとき、必要なのは「もっと頑張ること」ではなく、子どもに合った関わり方を一緒に整理することかもしれません。
療育では、たとえば次のようなことを一緒に見ていきます。
■どんな場面で癇癪が起きやすいか
■何がきっかけになっているか
■どんな伝え方なら分かりやすいか
■どうすれば安心して切り替えられるか
結いの虹では、子どもの困りごとだけでなく、強みや好きなことも大切にしながら関わっています。
癇癪をただ「なくす」のではなく、その子が少しずつ伝えやすくなり、安心して過ごせる時間を増やしていくことを大切にしています。
癇癪が続くと、外出することもしんどくなったり、人に相談するのもためらってしまったりします。
でも、子どもの行動には理由があります。
その理由が少し見えてくると、関わり方も少しずつ変わっていきます。
「うちの子の癇癪、どう考えたらいいんだろう」
「家での関わり方を整理したい」
「言葉の少なさや切り替えの難しさも気になる」
そんなふうに感じている方は、ひとりで抱え込まず、まずは結いの虹に相談してみてください。
癇癪だけを見るのではなく、その子の気持ちや困りごとを一緒に考えていくことが、支援の第一歩になることがあります。
SEARCH
CATEGORY
GROUP
よく読まれている記事
KEYWORD