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  • 結いの虹通信

療育の目的は「できる子」にすることではない|個別療育センター結いの虹が大切にする支援の考え方

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「療育に通ったら、みんなと同じようにできるようになりますか?」
「苦手なことは、繰り返し練習させた方がよいのでしょうか?」
「親の関わり方が悪かったのでしょうか?」

お子さんの発達について相談する中で、こうした不安を抱える保護者の方は少なくありません。

けれども、結いの虹では、療育を子どもを「普通」や「理想の姿」に近づけるための訓練だとは考えていません。
療育の目的は、その子の特性や感じ方を理解し、安心して生活できる方法を一緒に見つけることです。

できることを増やすだけでなく、

「自分はどんなことが得意なのか」
「どんな場面で困りやすいのか」
「困ったときに、どうすればよいのか」

を少しずつ知り、必要なときに周囲へ助けを求められる力を育てることも、大切な療育の一つです。

発達の特性を「治すべき欠陥」と捉えない

発達に特性のある子どもは、周囲とは違う方法で情報を受け取ったり、考えたり、表現したりすることがあります。言葉だけでは理解しにくいけれど、絵や写真なら分かりやすい。

急な予定変更は不安になるけれど、事前に分かれば落ち着いて行動できる。
大勢の中ではうまく話せないけれど、安心できる相手と一対一なら、自分の気持ちを伝えられる。

こうした違いは、努力が足りないから生まれるものではありません。
結いの虹では、発達の特性を「なくさなければならない欠点」ではなく、その子が持っている認知や感じ方の特徴として捉えます。

もちろん、発達の特性によって、本人が強い生きづらさを感じることもあります。
大切なのは、その困りごとを軽く考えることでも、何でも「個性」で済ませることでもありません。
本人が何に困っているのかを丁寧に見つけ、生活しやすくなる方法を一緒に考えることです。

困りごとは、子どもの中だけにあるとは限らない

同じ子どもでも、場所や相手、伝え方によって、落ち着いて過ごせるときと、難しくなるときがあります。
例えば、口頭で続けて指示されると混乱してしまう子どもでも、予定を絵や文字で示すと、自分から行動できることがあります。
にぎやかな部屋では活動に参加しにくくても、静かな場所が用意されていると、本来の力を発揮できることがあります。
言葉で「貸して」と言うことが難しくても、絵カードやジェスチャーなら、自分の要求を伝えられることがあります。

このような場合、変える必要があるのは、子どもだけではありません。
環境、伝え方、課題の量、活動の順番、大人の待ち方などを調整することで、困りごとが小さくなることがあります。

WHO(世界保健機構)のICF(人間の健康状態や生活機能に関する世界共通の分類基準)でも、人の生活機能や困難さは本人の状態だけで決まるのではなく、環境との相互作用の中で生じると考えられています。

結いの虹がTEACCHプログラムを取り入れ、「見て分かる環境」や見通しを持てるスケジュールを大切にしているのも、この考え方に基づいています。

「できること」だけで子どもの成長を測らない

療育では、着替え、学習、コミュニケーション、集団参加など、さまざまな目標を立てます。
できることが増えるのは、子どもにとってもうれしいことです。

しかし、「できたか、できなかったか」だけで成長を判断すると、見えなくなってしまう変化があります。

■以前よりも少し長く相手を見られた。
■嫌なときに、その場から離れず「やめて」と伝えられた。
■難しい課題に取り組む前に「手伝って」と言えた。
■活動には参加しなかったけれど、少し離れた場所から興味を持って見ていた。

こうした姿も、コミュニケーションや自己理解につながる大切な成長です。
目に見える成果を急ぐあまり、子どもが不安や苦痛を我慢し続ける状態になってしまっては、本来の療育とは言えません。
将来のために努力することと、今を安心して過ごすことは、どちらか一方を選ぶものではありません。

今の安心や納得があるからこそ、子どもは新しいことに挑戦しやすくなります。

行動を「直す」前に、その理由を考える

泣く、怒る、逃げる、物を投げる、同じことを何度も確認する。
大人にとって困ったように見える行動にも、子どもなりの理由があります。

■何をするのか分からなかった。
■終わると思っていなかった。
■音やにおいがつらかった。
■うまく言葉で伝えられなかった。
■疲れていた。
■失敗するのが怖かった。

行動だけを止めようとすると、本人が抱えている困りごとが置き去りになってしまうことがあります。
結いの虹では、まず「なぜ、この行動が必要だったのだろう」と考えます。

そのうえで、予定を分かりやすくする、休憩できる場所を用意する、伝える手段を増やす、課題を小さく分けるなど、本人が別の方法を選べるように支援します。

子どもの癇癪や拒否を、わがままや失敗として捉えないことについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

▶子どもの癇癪はわがままではない|原因と関わり方を大阪の療育現場からお伝えします

子どもの強みや「好き」を支援の入り口にする

子どもが好きなものや夢中になれる遊びは、単なるご褒美ではありません。
人と関わること、言葉を使うこと、順番を待つこと、新しい遊び方に気づくことなど、さまざまな発達につながる入り口になります。

車が好きな子どもなら、車を並べる遊びから始める。
数字が好きな子どもなら、数字を使ったやりとりを取り入れる。
同じ遊びを繰り返している子どもには、大人が少しだけ新しい遊び方を見せる。

大人が用意した課題へ子どもを引っ張るのではなく、まず子どもが見ている世界に大人が入っていきます。

結いの虹が取り入れているJASPERも、子どもの遊びや興味を起点に、共同注意、象徴遊び、関わり、感情調整を育てる支援方法です。大人が指示を重ねるのではなく、子どもの反応を待ち、模倣やモデルを通して遊びとやりとりを広げていきます。

▶JASPERとは?遊びの中で育つ“伝えたい”気持ち

本当の自立には「助けを求める力」も含まれる

「自立」と聞くと、何でも一人でできることを想像するかもしれません。
しかし、私たちは、すべてを一人で抱えることだけが自立だとは考えていません。

■自分に合う方法を知ること。
■苦手な場面を理解すること。
■必要な道具や支援を選ぶこと。
■難しいときに「分かりません」「手伝ってください」と伝えること。

これらも、その人らしく生活していくための大切な力です。
そのためには、子どもが自分の特性について、否定的ではない言葉で知る機会も必要になります。

「あなたがダメだから困っているのではない」

「言葉だけよりも、絵で見た方が分かりやすいんだね」

「大きな音が続くと疲れやすいんだね」

「一人で難しいときは、手伝ってと言っていいんだよ」

このように、本人が自分自身を理解できる言葉を少しずつ渡していきます。

保護者を「指導される人」にしない

子どもの発達について悩んでいる保護者の方は、すでに家庭で多くの工夫をされています。
それでもうまくいかない日が続くと、

「自分の育て方が悪かったのではないか」
「もっと厳しくしなければいけないのではないか」
「家庭でも毎日、療育をしなければいけないのではないか」

と、ご自身を責めてしまうことがあります。
結いの虹では、保護者を評価したり、一方的に指導したりする対象とは考えていません。
子どもの特性は、保護者の愛情不足や育て方によって生じたものではありません。

支援者が持つ専門的な視点と、保護者だからこそ分かる日々の姿を持ち寄り、一緒に考えていくことが大切です。
家庭を訓練の場所に変える必要もありません。

■子どもが疲れたときに戻れる場所。
■失敗しても受け止めてもらえる場所。
■困ったときに助けを求められる場所。

家庭がそのような安心基地であり続けられるように、支援者が保護者と伴走します。

科学的な支援と、一人ひとりの気持ちを両方大切にする

結いの虹では、TEACCHプログラム、インリアルアプローチ、JASPERなど、研究や実践によって積み重ねられてきた支援方法を学び、日々の療育に取り入れています。

ただし、科学的な支援方法であっても、すべての子どもに同じ形で実施すればよいわけではありません。
同じ診断名でも、得意なこと、苦手なこと、好きな遊び、不安になる場面は一人ひとり異なります。
支援者が手法を正しく使うことだけを優先し、子どもの表情や反応を見失ってしまっては意味がありません。

■今、楽しめているだろうか。
■不安が強くなっていないだろうか。
■本人はどうしたいのだろうか。
■支援者の考える目標と、本人が求めていることがずれていないだろうか。

迷ったときには、本人の様子をもう一度よく見ます。
言葉で答えられる子どもには、本人の気持ちを尋ねます。

科学的なエビデンスを学び続けることと、目の前の一人の感じ方を尊重すること。
結いの虹では、この両方を大切にしています。

療育を、日常を少し楽にするための知恵に

療育は、教室の中だけで行う特別な訓練ではありません。

■予定を見えるようにする。
■選択肢を示して本人に選んでもらう。
■言葉以外の伝え方を用意する。
■急かさず、少し待ってみる。
■好きな遊びを一緒に楽しむ。
■難しいときに休めるようにする。
などなど

こうした小さな工夫が、家庭や園、学校での生活を少し楽にすることがあります。
支援者が子どもを正すのではなく、子ども、家族、支援者が同じ方向を向き、それぞれの立場から暮らしやすい方法を考える。

それが、結いの虹の目指す療育です。

よくあるご質問

子どもに合わせることは、甘やかしになりませんか?

子どもに合わせることは、何でも要求どおりにすることではありません。
何が分かりにくいのか、どこで負担が大きくなっているのかを整理し、本人が取り組める条件を整えることです。
分かりやすい環境や安心できる関係があることで、子どもは自分から挑戦しやすくなります。

苦手なことは練習しないのでしょうか?

必要な力を練習することはあります。
ただし、本人が強い苦痛を感じている状態で、できるまで繰り返すことはしません。
今の発達段階、取り組む意味、本人の理解、課題の難しさを確認し、小さな段階に分けながら進めます。

療育の効果は、何を見て判断しますか?

目標としていた行動ができたかどうかだけでは判断しません。
安心して過ごせる時間が増えた、自分から選べるようになった、気持ちを伝えられるようになった、人との遊びを楽しめるようになったなど、生活全体の変化を見ていきます。

家庭でも療育と同じ関わりを続けなければいけませんか?

家庭ですべての支援を再現する必要はありません。
家庭の生活に取り入れやすい工夫を一緒に考えますが、保護者が支援者の役割まで背負う必要はありません。
親子が安心して過ごし、楽しい時間を共有できることも、子どもの成長を支える大切な土台です。

大阪市で個別療育を検討されている保護者の方へ

結いの虹は、大阪市の住吉区、住之江区、阿倍野区で、一人ひとりの特性に合わせた個別療育を行っています。
私たちが目指しているのは、子どもを別の誰かに変えることではありません。

その子が持っている強みや興味を生かしながら、

「ここなら安心できる」
「自分の気持ちを分かってもらえた」
「困ったときには助けてもらえる」

と感じられる経験を積み重ねることです。

療育を利用するべきか迷っている段階でも、まずは教室の雰囲気や支援者の関わり方を見に来てください。
お子さんとご家族にとって、どのような支援が必要なのかを一緒に考えていきます。

▶大阪市で個別療育を探している保護者の方へ|後悔しない療育の選び方

▶個別療育とは何をするの?支援の中身を解説

▶見学・体験利用はこちら

合同会社ファイブエス

代表 奥野伸一

児童発達支援管理責任者。個別療育センター結いの虹を運営。大阪市(住吉区・住之江区・阿倍野区)で発達に特性のある子どもたちへの個別療育に取り組んでいます。TEACCHプログラムやJASPER、インリアル・アプローチなどのエビデンスに基づいた支援を大切にし、子ども一人ひとりの強みを生かした関わりを重視しています。遊びや日常の関わりの中で「伝えたい」「一緒に楽しみたい」という気持ちを育み、親子が自分らしく笑いあえる時間を増やすことを目指しています。